OJI GROUP SOLUTIONS  王子製紙グループ
TECH NEWS 王子製紙株式会社ロゴ
VOL.4 
高品質製品開発への高度分析技術の適用 一覧へ戻る
  1. 1.紙のミクロ科学(高度分析技術)
  2. 2.超微細観察技術
  3. 3.紙内部の観察-高度切断技術
1.紙のミクロ科学(高度分析技術)
紙製品は、印刷・包装・IT・特殊等の用途により異なった品質特徴をもっています。それらの品質特徴をよりいっそう向上させることを目標に、高性能電子顕微鏡、光学顕微鏡、三次元形状顕微鏡および原子間力顕微鏡など様々なミクロ観察装置とイオンビーム照射装置などの高精度前処理加工装置を併用・駆使して、紙のミクロ構造の詳細解明に取り組んでいます。
様々な紙製品
ページのトップへ

2.超微細観察技術
インクジェット紙表面の観察
インクジェット紙表面の観察
(観察倍率10万倍)
写真画質用インクジェット紙表面の機能性粒子(粒径0.02ミクロン)が明瞭に観察できます。
紙繊維(セルロースパルプ)の観察
紙繊維(セルロースパルプ)の観察
(観察倍率5万倍)
針葉樹材(ECF漂白処理)のパルプ繊維表面観察結果です。繊維表面にある太さ0.1ミクロン以下の微細フィブリルが観察されます。
 
超高分解能電界放出形電子顕微鏡
(日立S-5200型)
新規に導入した世界トップレベルの電子顕微鏡を活用し、紙のミクロ観察を行っています。
超高分解能電界放出形電子顕微鏡
 特徴 1. 世界最高の超高分解能コールドFE電子銃とインレンズ型対物レンズ機構による高倍率(実用60万倍)
高分解能(0.5nm/30kV)
 特徴 2. 目的に応じた観察法の選択
二次電子象(凸凹情報)と反射電子像(組成像)のシグナル可変による鮮明かつ精細な像観察
低加速型反射電子像による極表面像観察
透過電子(STEM)法によるnmレベルの鮮明な観察像
 特徴 3. 微小部分の元素組成および分布情報
堀場製作所製EDS型X線マイクロアナライザー(EX-300)
 
ページのトップへ

3.紙内部の観察-高度切断技術
集束イオンビーム加工装置
(日立FB-2000A型)
観察目的にかなうように、紙の断面加工処理に多様な方法を適用しています。
集束イオンビーム加工装置(FIB : Focused Ion Beam)は集束Gaイオンビームを試料に走査照射する超微細加工装置で、近年、紙加工処理装置としても注目されています。
集束イオンビーム加工装置
 特徴 1. 高加工精度
イオンビーム照射位置精度0.1ミクロン以下
 特徴 2. 高度切断技術
金属および鉱物でも切断可能
 
印刷用塗工紙は、パルプ繊維からなる原紙に白色顔料を表面塗工しています。表面塗工の方法は印刷品質に大きく影響するため、塗工紙開発には塗工層内部状態の観察が不可欠です。
紙の内部を詳細に観察する場合、断面処理方法が重要となります。印刷用アート塗工紙の断面処理結果です。高級印刷用途のため塗工層は二度塗りしています。FIB法による断面処理では顔料間空隙状態が明瞭であり、ミクロトーム法断面処理では顔料形態が明瞭となっています。
 
 
研究例
FIB断面処理により断面処理面の空隙状態が明瞭に観察できることが判ったので、従来不可能であった二度塗り試料の下塗り層の空隙状態について観察データを画像処理した後、空隙状態を統計数値化できました。を統計数値化できました。下塗りの空隙量値と印刷品質との関係は未知の部分であり、この手法は今後の塗工紙研究への貢献が期待されます。
本研究は、2001年TAPPI Coating Conference(米国)で発表を行い、最優秀賞として表彰されました。
表彰状

ページのトップへ

前号記事へ 次号記事へ
コピーライト