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05.01.01 第31号

徹底検証
新世代コート紙「OKトップコート+(プラス)」のすべて
〜インキ乾燥のメカニズムと印刷テスト結果のご紹介〜
インキ乾燥時間を半減させた「SA金藤+」「OK金藤+」、この2銘柄は発売以来お客様から高い評価をいただいております。そしてこの特長を、汎用性の高いA2コート紙にもぜひとも反映させて欲しいとの声が日増しに大きくなりました。今号でご紹介する「OKトップコート+」は、そうした期待の声の中、王子製紙の画期的新技術(特許出願中)によって誕生したインキ乾燥時間をこれまでの半分以下(当社比)に短縮するこれからの時代を担う"新世代コート紙"です。
 印刷の流れを大きく分けると、プリプレス・印刷・加工の3つの工程に区分することができます。技術革新の結果、プリプレス工程ではデジタル化が進み作業時間の大幅な短縮が可能となりました。また印刷工程においても、印刷機の高速化・自動化やインキ面での改善により大きな進歩が見られます。但し、用紙に目を向けて見ると、作業時間を画期的に短縮させる大きな改善はこれまでなされていませんでした。そのため各工程の作業時間が短縮されても、インキ乾燥のために長い時間が割かれる結果となっていたのです。
 王子製紙ではこのインキ乾燥時間の短縮を、「お客様に喜んでいただける新製品の開発」のターゲットに据えて取り組んできました。その結果、これまでの印刷品質を損なうことなく、インキ乾燥時間を画期的に短縮させることのできる「OKトップコート+」を完成させたのです)。


印刷作業の流れ
 
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常識の打破〜新技術の確立

■インキ乾燥時間と印刷光沢の両立
 インキ乾燥時間と印刷光沢は相反する要素として存在します。すなわち、インキ乾燥時間を短くすると印刷光沢が犠牲となり、印刷光沢を高いレベルで保つためにはインキ乾燥時間を長く取る必要がありました。そのためこれまでは、どちらか一方に特化した用紙はありましたが、この両方を実現させる用紙は存在しませんでした。「OKトップコート+」はこの不可能と考えられていた2つの要素を高いレベルでシンクロさせるため、全く新しい技術(特許出願中)を持って開発されたのです。


【インキ乾燥時間と印刷光沢の関係】 ※各種A2コート紙127.9g/m2の測定結果


 
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■インキ乾燥のメカニズム
 インキ乾燥(インキセット)とは、インキの低粘度成分が塗工層に吸収されて、ベトつかない状態になることを言います。塗工層の細孔が、インキ中の低粘度成分を選択的に吸収することが進行する現象です。


【インキ乾燥過程模式図】
インキ乾燥過程模式図

また、インキ乾燥後の印刷光沢は、印刷面の凹凸によって決定されます。印刷面の凹凸が少なければ少ないほど印刷光沢(印刷平滑性)が高くなります。


【印刷面顕微鏡写真】
     
印刷光沢が高い 印刷光沢が低い
印刷光沢が高い 印刷光沢が低い

 
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■インキのスプリットパターンとその変化
 オフセット方式で印刷を行った場合、インキはブランケットを通して用紙に転写されます。その時点のインキには流動性があるため、ブランケットと用紙が離れる際にスプリットパターンが形成されます。このスプリットパターンによって紙の表面に凹凸ができ、このパターンが印刷光沢に大きな影響を与えるのです。但し、このスプリットパターンはインキ皮膜の流動性が保持されている間は平滑化が進行しますのでインキ乾燥時間によってその形態は大きく変化するのです。


【インキ乾燥過程模式図】

● インキ乾燥が遅い場合
【紙面上のインキのスプリットパターン】

インキの低粘度成分が塗工層へ浸透するのに時間がかかるため、インキ皮膜の流動性が保持された状態が続きます。その間に平滑化が進行するため印刷光沢が向上します。

● インキ乾燥が速い場合
【紙面上のインキのスプリットパターン】
 
インキの低粘度成分が速やかに塗工層へ浸透するため、インキ皮膜の流動性がなくなります。したがって平滑化が進行せずに印刷光沢が低下します。

 これらのメカニズムからも解かるように、インキ乾燥性の向上と高い印刷光沢の両立は実現不可能な課題と見られてきました。王子製紙ではその課題に果敢に取り組むことにより両立に成功し、これまでにない新世代コート紙「OKトップコート+」を誕生させました。次項目に掲載した実機を使用したテスト結果でその画期的な効果をご確認ください。
 
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実録「OKトップコート+(プラス)」の優れた作業性
前項目までにインキ乾燥のメカニズムについて述べてまいりました。ここでは王子製紙の画期的な技術(特許出願中)によって誕生した「OKトップコート+」の効果について、実機を使用したテストの結果をご覧ください。

 今回の実機を使用したテストでは、「OKトップコート+」と「OKトップコートN」を同条件のもと作業しました。まず初めに、表面を印刷し、印刷後「OKトップコート+」、「OKトップコートN」のインキ乾燥時間を測定しました。次に、表面が完全に乾燥したことを確認した後、裏面を印刷しました。裏面印刷終了直後より時間を追って断裁し、断裁機クランプ圧による2次ブロッキング評価を行いました。


【印刷条件・環境】
印刷条件・環境

 
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【インキ乾燥テスト工程】

次項目にて、「OKトップコート+」と「OKトップコートN」の表面印刷のインキ乾燥時間の比較と、2次ブロッキング評価の比較をご覧ください。

【表面印刷のインキ乾燥性評価】
表面印刷のインキ乾燥性評価

OKトップコート+」の表面印刷のインキ乾燥時間は「OKトップコートN」と比較して半分以下の時間で乾燥しました。また24時間後に測定した印刷光沢についても、差はありませんでした。

【裏面印刷後の断裁機クランプ圧による2次ブロッキング評価】

裏面印刷から15分経過した時点での断裁では強い裏移りが確認されましたが、1時間後は明らかに「OKトップコート+」の裏移りが少なく、3時間後の断裁では問題ありませんでした。

 このように「OKトップコート+」のインキ乾燥性について表裏それぞれの印刷で乾燥時間短縮が図られるため、印刷から加工工程までの作業時間を大幅に短縮することが可能となります。今回の実機テストにおいて「OKトップコート+」は優れたインキ乾燥性と高い印刷光沢を両立させた用紙であることが実証できました。
 
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驚嘆、感嘆、満足 〜お客様の声・声・声〜
7月の発売以来多くのお客様に「OKトップコート+」をご利用いただき、「OKトップコート+」の画期的な速乾性を体験していただきました。ここでは実際に使用していただいたお客様から寄せられた声をご紹介してまいります。「OKトップコート+」のメリットを具体例を持って感じていただければ幸いです。


1.長苗印刷株式会社様

初夏に入り代理店より「OKトップコートN」の品質が変わるという話を聞きました。当初はあまり気にしていませんでしたが、発売が近づき新製品の詳細が明らかになるにつれ期待感が急速に高まってきました。そんな時にテスト印刷の話が舞い込み、これはチャンスと思い「やらせてほしい」と即答しました。これが、当社が「+」ブランド統一へ動き始めた第一歩でした。
 テスト印刷実施後しばらくして、枚葉機機長に製品の是非を確認してみましたが、速乾性を必要とする機会が少ないためか、効果を充分に認識するにはいたっていませんでした。そんな折りに、「OKトップコート+」の効果を実感する事実を目の当たりにしました。
 ある仕事で夜8時の下版予定が大幅に遅れ、下版が翌朝の3時を越えてしまいました。加工会社は超短納期要請により朝8時よりスタンバイする段取りになっていました。刷版が焼け、印刷をスタートしたのが5時近く、こうした焦っている時に限ってトラブルが発生するもので、ブランケットを交換する事態にまで発展しました。上がり面を刷り出した時にはすでに7時近くなっており、しかも絵柄はアイ系の総ベタでした。「もう加工に間に合わない!」と思い、加工会社社長の暗い顔が目に浮かびました。「何時間機械を止めたら気が済むんだ!」と怒鳴られるかビクビクしていましたが、意を決して加工会社社長に話をし、加工スタート時間を遅らせようとしました。8時近くになり最終判断で刷本を触わった時に驚きました!「もう乾いている!」これなら加工が出来る。喜び勇み即座に加工作業開始を指示しました。こんな絵柄でほんの前に刷ったばかりなのにもう。その出来事からグロスコートは「OKトップコート+」という認識が確立しました。
 印刷会社は私を含め乾燥問題は「インキ」と思っている部分が多いのですが、用紙で乾燥が速くなるなんて非常に驚きました。

 
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2.丸山印刷株式会社様

小ロット短納期の注文が増え、印刷後夜間にインキを乾燥させて翌日に断裁・仕上という従来の日にち単位のスケジュールでは注文をこなせなくなりつつあります。「OKトップコート+」は乾燥性が良く、図柄が重い場合でも約3時間おけば次工程に移ることが出来ます。したがって計算上は12時に刷版→13〜15時に印刷→17時に断裁→18時に出荷、といった時刻管理のスケジューリングにも対応出来ます。全面的に「OKトップコート+」に切り替われば、オペレーターの乾燥時間に対しての認識が変わり、課題である日にち管理から時刻管理への管理体制移行が果たせるのではないかと期待しています。
 例年、年末おせち料理のチラシは、バックの色合いが重く、ブロッキングトラブルになり易いのですが、今年は印刷後3時間で断裁してもブロッキング現象は起きませんでした。また、 印刷後の棒積みが可能になるために、板取から棒積みの積替え工程が省けるなど 従来の「OKトップコートN」と比較してマイナス要素は全くなく、印刷会社として大きなメリットを感じています。



3.福博総合印刷株式会社

昨今のユーザー事情から印刷会社は短納期を求められるケースが増加しています。特に当社がいただいている仕事の中でも、毎日の仕事にも拘わらず、午後3時に下版し午後7時までに断裁出荷するという厳しい内容のものがあります。印刷も片面ながら4色ベタが中心で、乾燥に必要な時間を考えると非常に印刷会社泣かせの仕事となっています。重ね刷りが入れば、紙が乾かない事で断裁出来ず7時の出荷に間に合わない事が度々起こっているのも現実です。出荷時間(7時)に間に合わない時は別便仕立てで8時過ぎに出荷しており、当然ながら別便代が発生しています。断裁オペレーターは作業が出来ないことで残業になり、出荷担当も製品が仕上がらない事で待残業となっていました。
 このような仕事に「OKトップコート+」を使用したところ、17:35に刷了した印刷物を18:00には断裁することが出来ました。断裁に取りかかるまでに要した時間はわずか25分。従来の「OKトップコートN」では1時間以上の乾燥時間をとっていたので半分以下に短縮することが出来ました。もちろん「OKトップコートN」を印刷後25分で断裁した場合は、ブロッキングにより全く作業が出来ない状況でした。「OKトップコート+」の優位性は歴然でした。
 断裁・出荷担当者からは、驚きと感謝の言葉が上がり、工場長からは、“明日からでも「OKトップコート+」を即納入して欲しい”との要請を受け、以後「OKトップコート+」へ全面切り替えを実施しました。もちろん「OKトップコート+」納入開始以降は、断裁・出荷担当者の待残業も解消されました。


 
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OKトップコート+」のメリットは、「乾燥時間の短縮」以外の部分にも現れています。ここでは、そんなお客様の声をご紹介します。

事例1 水上印刷株式会社様

 JAGAS2004の出展ブース内で実際に印刷機を使用したデモンストレーションを行いました。印刷見本をその場で配布するため、インキ乾燥時間の短縮は避けては通れない問題でした。そんな時に「+」品の存在を知り、早速展示会での使用を決めました。脅威的な乾燥性は展示会においても絶大な効果を発揮し、デモンストレーションの成功に大いに貢献してもらいました。


事例2 大東印刷株式会社様

 テスト印刷を行い効果を確認し、アート紙を全量「+」品に切り替えました。これにより印刷作業性は格段にアップしました。また、乾燥性の向上により印刷後の棒積みが可能になり保管スペースの節約にも役立っています。


事例3 株式会社コミネコミュニケーションズ様

OKトップコート+」の使用により印刷物の積替え作業が非常に改善されました。従来は3時間かかっていた作業時間が今では1時間に短縮されています。さらに「OKトップコート+」の乾燥性の高さにより印刷パウダーの使用を抑えられ、これによりグロス感がなくなるといった印刷パウダーの弊害を最小限にすることが出来ています。
 また、乾燥時間がしっかり計算出来ることにより、刷版作業までスムーズに行うことが可能になりました。
 
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【トピックス】
オンリーワン技術がここに集結!
「コート紙短冊見本帳」が完成
王子製紙のオンリーワン技術によって誕生したノンリンクルシリーズと「OKトップコート+」を収録した「コート紙短冊見本帳」が1月に完成します。
 誰もが諦めていた"ヒジワ"の発生を究極まで改善したノンリンクルシリーズとインキ乾燥時間を従来の半分以下(当社比)にした「OKトップコート+」を筆頭に、嵩高でありながら白紙光沢を追求した「OKカサブランカ-V」「OKカサブランカ-X」、印刷部分と白紙部分のコントラストを極めた「OKトリニティNaVi」に嵩高の要素を追加した「OKトリニティNaVi-V」を新製品として収録しています。
 さらにパワーアップした「コート紙短冊見本帳」をご覧の上、様々な用途にご用命くださいますよう宜しくお願い申し上げます。
コート紙短冊見本帳
 
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目次

  1. 常識の打破〜新技術の確立


  2. インキ乾燥時間と印刷光沢の両立

    インキ乾燥のメカニズム

    インキのスプリットパターンとその変化

  3. 実録「OKトップコート+(プラス)」の優れた作業性


  4. 驚嘆、感嘆、満足 〜お客様の声・声・声〜


  5. 【トピックス】
    オンリーワン技術がここに集結!
    「コート紙短冊見本帳」が完成


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