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00.07.01 第13号

OJI MILLENNIUM 21計画〉の概要と
「OKプリンス上質21」/
「自社植林木100%使用紙」のご紹介
古紙100%再生紙
20世紀を“技術と大量生産、そして大量消費の時代”だとするなら、21世紀は“叡智の時代”といえるでしょう。人間の果てしない欲望が、より新しいもの、より便利なものを求め続けて、気がついたら私たち人間の唯一の故郷、地球の悲痛な悲鳴が聞こえてきたのです。地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、野生動物の減少、砂漠化、水質汚染、大気汚染、エネルギー資源の減少、熱帯林の減少、廃棄物問題など…なかでも、生態系を大きく変える地球温暖化は最重要課題となっています。

〈OJI MILLENNIUM 21計画〉とは…
当社は創業当時(明治9年)から、リサイクル可能な樹木を育成し使用するという理念のもとに山林の購入と育成を続けて、今日では国有林に次ぐ約19万ha(東京都全域面積の約90%に相当)の社有林を有していることは広く知られています。森を育て、リサイクルすることによって、地球温暖化の主要原因物質である二酸化炭素(CO2)の吸収・固定に貢献、地球環境を守りながら資源の永続的確保へとつながります。その意味では、当社は“叡智の時代”を20世紀当初から実践していたことになります。
そうした流れのなかで2000年の春、スタートしたのが〈OJI MILLENNIUM 21計画〉です。21世紀をしっかりと見据えて、総合製紙メーカーとして果たすべき責任を全うするための具体的な活動を始めたのです。そして、その根幹には叡智の時代をさらに具体化するというポリシーがあり、『王子製紙環境憲章』の基本理念を着実に実行しているわけです。
言うまでもなく、地球の資源は有限です。紙の消費量においてもその将来には不安が残ります。それは今後、発展途上国の、先進国が経験した経済活動や生活様式へのシフトが加速して紙の消費が急速に伸びて、世界的な木材資源の不足が予測されるということです。つまり、これからの需要に対する的確な対応が急務なわけです。
〈OJI MILLENNIUM 21計画〉のテーマもそこにあります。

図-1 〈OJI MILLENNIUM 21計画〉の基本理念
〈OJI MILLENNIUM 21計画〉の基本理念
 
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MILLENNIUM PAPER
「OKプリンス上質21」とは…。
■開発経緯と技術的背景について
大量消費の20世紀は、前述のように廃棄物の問題を提起しました。すなわち“ゴミ問題”です。当社ではいち早く「OKグリーン100シリーズ」に代表される古紙再生技術により、そうした社会問題に対応してきましたが、紙の需要の急激な伸びをカバーし切れないこともまた現実と言わざるを得ません。そこで従来からの“紙のリサイクル”の輪をより長く、そして広く伸ばすことも必要であると考えました。すなわち、大切な資源である紙を“大事に、長く使っていただくこと”をコンセプトとする“長期保存性に優れた紙”の開発です。
その開発にあたって、紙を長期間保存する場合の問題点を整理すると下記のようになります
 (1) 頁をめくる時に紙がちぎれたり、頁が取れてしまう→強度劣化
 (2) 紙が黄変化する→褪色
これらの問題には2つの大きな要因があります。
一つは、リグニン、ヘミセルロースなど、紙の原料である木に含まれる成分によるものです。紙には通常、各種の漂白薬品により漂白されたパルプが使用されます。漂白によって紙の強度劣化・褪色の原因となる物質(リグニンなど)の量は減りますが、まだ僅かに残り、長期的には劣化の原因となります。
もう一つは、紙の製造する工程において添加する酸性の薬品によるものです。この薬品は、印刷適性、筆記適性などの品質を満足させるために加えられます。しかし、その中に強度劣化・褪色の原因となるものがあります。例えば、薬品や填料(紙の不透明度、平滑性を上げるために添加)をパルプ表面に定着させるのに使用する硫酸アルミニウムは徐々に分解し、硫酸になります。この硫酸がパルプを分解するため、紙の強度が低下します。現在はそれを防ぐために、硫酸アルミニウムの使用量を抑えて紙を製造しており、中性紙がこれに当たります。中性紙は填料として炭酸カルシウムが使用されているので、酸性の物質が紙中にできても中和されることにより酸性紙に比べて強度劣化を抑えています。また、より白く見せるために蛍光染料が添加されていますが、これも褪色の一因となっています。
ここで整理すると、これらの物質 1-パルプ中のセルロース以外の物質(リグニンなど) 2-硫酸アルミニウム 3-蛍光染料が主な要因となり、光や熱によってセルロースを切断する引き金となったり(強度劣化)、化学反応を引き起こしたり(褪色)して、紙の劣化は進行します。
そこで、それらの要因を取り除くことが“長期保存性に優れた紙”の開発につながるわけです。すなわち、以下の通りです。
 (1) パルプ中に残る、紙の強度劣化・褪色の原因となる物質をさらに除去すること。
 (2) 硫酸アルミニウムをまったく使用しないこと。
 (3) 蛍光染料をまったく使用しないこと。
こうして生まれたのが、“強度と白色度の耐久性を有する究極の長期保存性に優れた紙”=「OKプリンス上質21」なのです。
 
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■品質について
(1)強度の耐久性
「OKプリンス上質21」の開発にあたっては、保存年数の評価をアメリカの“ASTM(The American Society of Testing and Materials)”に求め、その規格により評価しました。その規格とは“90°C、50%RHの環境下に12日間置いて強度劣化がどの程度進むか”というもので、次のような評価基準となります。
◎LE−1000(Maximum Life Expectancy)………(耐久性1000年)
強度残存率:引張強度/95% 引裂強度/90% 破裂/95%
◎LE−100(High Life Expectancy)………(耐久性100年)
強度残存率:引張強度/90% 引裂強度/85% 破裂/90%
◎LE−50(Medium Life Expectancy)………(耐久性50年)
強度残存率:引張強度/85% 引裂強度/75% 破裂/80%
上記の規格に基づき評価した結果、下記の図−1に示すように引張強度・引裂強度・破裂のいずれの強度残存率も〔LE−1000〕を満たすものでした。

図-1 90°C、50%RH、12daysにおける耐久性(強度)の基本理念
図−1 90°C、50%RH、12daysにおける耐久性(強度)の基本理念
 
(2)白色度の耐久性
白色度の耐久性については、紫外線を照射する加速試験によって評価しました。その結果は下記の図−2に示すように、「OKプリンス上質21」は中性紙よりもさらに白色度の低下が少ないことが分かります。

図-2 紫外線による耐久性(白色度)
図−2 紫外線による耐久性(白色度)
 
(3)用途
「OKプリンス上質21」は、強度劣化が低い、褪色しない、そして白色度の低下を抑えた紙、すなわち“千年紙”ということで、その用途はさまざまに考えられます。
◎官公庁向けとして……裁判所公判記録、警察調書、各種ポスター、
学校で保存する生徒の個人データ、住民台帳、病院のカルテ、登記簿、
権利書、契約書、印鑑証明、パスポート、戸籍謄本、住民票など
◎企業向けとして……社史、契約書、経理事務帳票、権利書、株券など
◎一般向けとして……日記、遺言書、便箋・封筒、家系図など
このように、その特質を生かした用途の開発もまた重要なことになっています。例えば、21世紀のご子孫にあなたのメッセージを残されてはいかがでしょうか。
 
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叡智の紙
「自社植林木100%使用紙」とは…
■人口増加と森林資源の関係
『王子製紙環境憲章』に基づいて、当社が実践している活動に“紙のリサイクル”があります。1998年度における当社の古紙使用量は約246万トンに達し、関係会社を含めた王子グループとしては約340万トンにもなります。この数字は『王子製紙環境憲章』の〈行動計画21〉の目標値、すなわち“王子グループとして25%の国内シェア”に対して、21%に達する画期的なものです。  ※図-1参照
また、当社の再生紙比率=再生紙の割合は、1998年の実績で59.7%となり、特に「OKグリーン100シリーズ」に代表される“古紙100%配合紙”の伸びは著しいものがあります。

■古紙使用実績(98年度)
古紙使用実績(98年度)

■古紙使用量の推移
古紙使用量の推移
 
とはいえ、“紙のリサイクル”にも自ずと限界があります。また、将来的に予想される“需要に対する供給量の不均衡”の問題もあります。すなわち“人口増加と森林資源”の関係です。一般に人口の増加と森林の減少は関係があると言われています。1998年に国連人口局が推計した地域別人口の変化(図-2)と、1997年に国連食料農業機関(FAO)がまとめた地域別森林面積の変化(図-3)を対応させてみると、人口の増加傾向にある発展途上国(アジア、アフリカ、南米)では森林面積(熱帯雨林)の減少率が高く、人口の減少傾向にあるヨーロッパでは森林面積が増加していることが分かります。
このような発展途上国の人口増加による森林面積の減少傾向と、発展途上国における経済活動や生活様式の先進国化によって、木材資源の世界的な供給不足をもたらすことが予測されます。従って、今後の需要に的確に対応するには現状の原料調達の範疇ではまかなえないため、古紙のリサイクルを一層促進することは当然として、森林資源の計画的な育成、すなわち“森のリサイクル”がより重要となるのです。

図-2 地域別 人口推計 ※1998年/国連人口局ホームページより
地域別 人口推計

図-3 地域別森林面積の変化(1990〜1995年)
※FAO「State of World's Forest 1997」より
地域別森林面積の変化
 
 
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森のリサイクルと植林木
当社の海外植林は、パプアニューギニアにおいて1975年から製紙メーカーの第1号として植林事業をスタートしたことに始まります。1992年には、主力樹種をユーカリからアカシアマンギウムに転換して、現在は年間約5万BDTのチップを供給できる体制となりました。そして当社の海外植林面積も約8万haに達しています。ちなみにその面積は山手線内の約12倍に相当します。  ※図−4参照
さらに2010年には20万ha(東京都全域面積の約90%に相当)の植林を完了することを目標としています。

■王子製紙の海外植林実施状況
国名
地域
会社名
設立
共同実施者
樹種
植林
目標面積
(ha)
99年度末
植林済面積
(ha)
伐期
(年)
PNG
マダン州
JANT
71
野村證券他
アカシア
ユーカリ
10,000
9,118
8〜10
NZ
南島
SPFL
92
伊藤忠商事・
富士ゼロックス・
富士ゼロックス
オフィスサプライ
ユーカリ
14,400
7,607
12
豪州
西オーストラリア
APFL
93
伊藤忠商事・
千趣会・
東北電力
ユーカリ
26,000
16,888
10
ベトナム
ビンディン省
QPFL
95
日商岩井・
大日本印刷・
アカシア
ユーカリ
10,500
7,125
7
豪州
ビクトリア州
GPFL
97
日商岩井・
凸版印刷・
北海道電力
ユーカリ
10,000
2,737
10
豪州
クイーンズ
ランド州
BPFL
98
伊藤忠商事・
講談社・
電源開発
ユーカリ
10,000
2,004
10
豪州
ビクトリア州
EPFL
99
日商岩井・
小学館・
日本紙パルプ商事
ユーカリ
10,000
391
10
NZ
北島
PanPac
91
日本製紙
パイン
30,000
31,178
30
 
 
120,900
77,048
 
 
最終目標
 
200,000
   
 
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図-4 海外植林面積の推移
海外植林面積の推移
 
れらの活動が、地球温暖化の主要原因物質である二酸化炭素(CO2)の吸収と固定に貢献して、地球環境を守るうえで大切な役割を担っていることは広く知られています。
第16回IPCC(*)において、この10年間で約7億トンの固定があり、先進国が植林に取り組むことによって固定できる量を年間で最大2億〜4億8千万トンと算定しています。この数字は、1996年の日本全体における二酸化炭素排出量65億トンの約5%と試算することができます。当社では、将来的な紙の需要増に対する供給、環境問題への貢献を目指して7年〜12年を1クールとする“森のリサイクル”を実践しています。“紙の原料である木材を伐採したら、そこに新たに植林をする”、これを繰り返すことによって森は永久になくならないというわけです。※図−5参照
この“森のリサイクル”活動は、“森を守り育てながら、紙を生産する”という当社の持続可能な循環型企業としての、他業種には類を見ない側面を如実に表現しているということができます。
「自社植林木100%使用紙」は、当社社員や現地のスタッフによって山間の荒れ地が整備され、一つ一つ丁寧に植えられた苗が7年〜12年の年月を経て成木となった樹木を原料としています。その意味では環境保全と製紙原料の永久的補給という“叡智の時代”にふさわしい紙と言えるでしょう。すでに発売しているフレッシュパルプ使用製品と品質的に何ら遜色がないことはもちろんのことです。21世紀を見据えた〈OJI MILLENNIUM 21計画〉に基づく、叡智の時代における叡智の紙として、ぜひご愛顧ください。
当社のこうした積極的な活動は、リサイクル型社会の実現に向けた先駆的役割を担うとともに、広く国際的にも高い評価をいただけるものと自負しています。

* IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)

図-5
1年目   対象地の8分の1の面積に植林する。

2年目
 
更に対象地の8分の1の面積に植林する。1年目に植林した木は成長し、2年目に入る。

3年目
 
更に対象地の8分の1の面積に植林する。1年目に植林した木は成長し3年目に、2年目に植林した木は成長し2年目に入る。

8年目
 
同様な作業を繰り返すことにより、8年目に1年目に植林した木を伐採し製紙原料として使用する。この時点で対象地に7年分の森林が出来ることになる。伐採したあとには再び植林する。
 
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目次

  1. 〈OJI MILLENNIUM 21計画〉とは…


  2. MILLENNIUM PAPER


  3. 開発経緯と技術的背景について

    品質について

  4. 叡智の紙

  5. 人口増加と森林資源の関係


  6. 森のリサイクルと植林木



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