98.04.01 第7号
「OKグリーン100(古紙100%)シリーズ」ご紹介
世界的に注目される地球環境問題に対する、当社の基本理念と活動の歩みをふり返りながら、関連製品である「OKグリーン100シリーズ」をご紹介しましょう。
地球環境への取り組み(1)/森のリサイクル運動について
「地球環境」と「紙ゴミ」。この二つの言葉は、再生紙のことを話題にする時に欠かせない大切なキーワードです。
1997年12月、「地球環境」に関わる温暖化防止京都会議が開かれ、日本は議長国として温室効果ガス削減計画の取りまとめに苦労したことはまだ記憶に新しいはず。この会議で、森林は地球環境にとって大事な資産であることが再認識され、森林による二酸化炭素(CO
2
)吸収分を温暖化ガス排出量から差し引く考えが盛り込まれました。環境保全、原料チップの安定確保の点からも、わが国の製紙メーカーが進めている海外植林事業にとって実に有意義なことでした。
世界では、毎年1,540万ha(北海道+九州+四国に相当する面積)の熱帯林が地球上から消失していると言われています。先進国では伐採面積と造林面積がほぼ均衡していますが、いちばんの問題は破壊の大部分が発展途上国の熱帯林に集中していることにあります。この熱帯林の消失は、発展途上国における過度な焼畑耕作や過放牧、そして薪材、建築用材としての伐採が原因です。残念ながら、この点で木材資源を主原料としている日本の紙パルプ産業は大きな誤解を受けてきました。
1996年におけるわが国の製紙パルプ原料の内訳を見ると古紙が53.6%を占め、その他、国産材・輸入材から生産されたパルプが33.2%、輸入パルプは9.7%です。しかも、国産材・輸入材は製材残材、天然林低質材、間伐材、すなわち製材に不向きな細い木や曲がった木、芯の腐った木、風雪で倒れた木などを集めたもの。つまり、他の用途で使われた未利用分と他に利用できない木を活用しているわけです。
そして、残りは計画的に実施された植林事業により収穫した木材が使用されています。特に、現在日本の紙パルプ産業が行っている海外植林は7、8年の植林〜収穫リサイクルのため、CO
2
の吸収速度が成木に比べて速く、環境保全にも有利です。
当社では1997年1月に環境憲章を制定し、具体的には「環境行動計画21」に基づいて、2010年までに海外植林の規模をこれまでの6万haから20万haに拡大するプランを進めています。これは東京都の面積の約90%に当たり、国内製紙メーカーの海外植林計画の36%に相当します。
このように環境憲章を基本理念として、今後も植林事業を積極的に展開する森のリサイクル運動、さらには古紙資源の一層の活用を推進する紙のリサイクル運動を中心に、地球規模の視点に立って、環境と調和した企業活動を使命とし、実践していきます。おかげ様で、当社の環境問題に取り組む姿勢は広く社会にも認められ、1998年初頭には第7回地球環境大賞「環境庁長官賞」(主催:日本工業新聞社)を受賞しました。
地球環境への取り組み(2)/紙のリサイクル運動について
次に紙のリサイクル運動、すなわち「紙ゴミ」の削減、古紙の活用についてお話しましょう。
ゴミをいかに減らすか、これは自治体にとって今なお深刻かつ緊急の課題です。ゴミの減量のために、分別回収の徹底による再資源の促進、ゴミ収集の有料化による排出規制など、行政面、そして技術面からさまざまな対策が進められてきました。
日本の古紙利用率は世界でも高い水準にありますが、一方でゴミの中味を見ると、プラスチック類とともに紙類が大きな比率を占めています。1996年の東京都23区のゴミ排出量は413万トン、そのうち可燃ゴミは242万トンで紙ゴミ類はその45.8%とほぼ半分近くにも及んでいます。紙の需要の増加に対する原料確保の意味からも、紙ゴミを減らし、さらに古紙利用を促進することがいかに急務であるかがお分かりいただけたはずです。
そもそも再生紙の原料となる古紙は、1955〜65年の高度成長の初期、段ボールに広く使用され始めました。その結果、板紙の主原料として古紙利用率が20%から35%まで上昇。その後、1973年の第一次オイルショックによるエネルギーコストの暴騰を機に、新聞紙への多量配合が進み、1985年には古紙利用率は50%台に達しました。
■古紙利用の推移
この間、神奈川県庁との共同開発(1981年)によって登場した製品が「やまゆり」です。そして古紙は製紙パルプ原料の柱としての市民権を得ることになり、1995年に53.4%、翌年には53.6%まで伸びました。さらに深刻化する地球環境問題を配慮して、紙パルプ業界あげて2000年の古紙利用率56%という目標が掲げられたわけです。
古紙の現状についてもう少し詳しく述べると、1996年の紙・板紙の総生産量は3000万トンで、その4割に相当する板紙への古紙配合率は90%を越えています。一方、6割を占める洋紙は、古紙が30%弱しか活用されていません。板紙は複層のため、古紙を中層に配合でき、ある程度低質なものでも使用できますが、すでに古紙利用率としては限界にきていました。そして洋紙の場合は、原料古紙パルプの品質がそのまま製品の品質に現れてしまうことがマイナス材料となっていたのです。
これらの古紙の主なものには段ボール古紙、新聞古紙、雑誌古紙および上級古紙があります。その割合は、段ボール古紙、新聞古紙、雑誌古紙(通称、裾物3品)で全体の80%を占め、上級古紙は10%程度に過ぎません。主に段ボール古紙、雑誌古紙は板紙用途に、そして新聞古紙、上級古紙が洋紙用として使われています。
■古紙の消費量 1996年 古紙品種別消費量の構成比 ※単位:千t
また古紙消費量は1996年で1600万トンと、前年対比でも堅調な伸びを示したにも関わらず、それを上回る古紙の発生から価格は下落し、流通在庫も飽和状態となり、その余剰問題もクローズアップされました。このため、雑誌などの一部の古紙については有料(逆有償)回収、赤字輸出、さらには古紙の引き取り拒否などの動きが出てきました。
こうした背景としては、都市のゴミ問題の深刻化にともなう自治体の古紙回収への取り組みの拡大、すなわち東京都の事業系ゴミ全面有料化、自治体の古紙回収業者への補助金拠出などの影響による古紙の回収増が考えられます。そして紙パルプ産業での古紙利用が限界に近づき、伸び悩んでいることも原因となっていました。
古紙利用率をさらに向上させるには、洋紙への古紙活用を増やすことが不可欠でした。でも、使いやすい上級古紙の量には限度があるため、新聞古紙や難処理古紙が一部含まれる雑誌古紙などの利用拡大が必要となってきます。一般に、洋紙での古紙配合率をアップしていくと、紙の白さの低下や印刷インキ、コピーのトナーによる残滓の増加などのため、既存のフレッシュパルプのみで生産された印刷用紙との比較で白紙品質、印刷適性・作業性の低下が懸念されていたのです。 これらのハードルに対し、当社の抄紙・塗工技術にプラス古紙処理技術を駆使して開発したのが古紙100%配合による「OKグリーン100シリーズ」です。
当社では環境行動計画21のもう一つの柱として、新聞古紙や難処理古紙を中心に古紙の利用拡大に努め、2000年における古紙使用量を王子製紙グループ全体でわが国の古紙使用量の21%にすることを目標としました。その運動の成果の一つが、この「OKグリーン100シリーズ」でもあるわけです。
※参考資料:「紙パルプ技術タイムズ」(1990年8月 大江礼三郎)
古紙100%配合紙「OKグリーン100シリーズ」の詳細
環境保全、自然保護への取り組みが地球的レベルで求められる今日、当社では独自に〈環境憲章〉を制定して、その実行に努めています。既存のフレッシュパルプ使用製品と遜色のない白紙・印刷品質を備えた古紙100%配合による「OKグリーン100シリーズ」も、そうした成果の一つとして生まれました。
一般に古紙配合率をアップしていくと、既存のフレッシュパルプ使用紙と比べて、白紙品質・印刷適性、作業性などの低下が心配されてきました。このため、当社では抄紙・塗工技術+古紙処理技術を加えた総合製紙技術を活用した製品開発に取り組み、古紙100%配合再生紙を完成しました。では、その「OKグリーン100」の品質特性についてご説明しましょう。
(1)白さ・褪色性
■〈塗工紙「
OKコートNグリーン100
」/塗工紙「
OKマットコートグリーン100
」〉
新聞古紙を主体の原紙ベースに、高級塗工紙であることを考慮にいれて原紙の白さアップ対策に加え、塗工材料の選定や処方の改良により、OKトップコートN、
OKロイヤルコート
と同じレベルの白さ、褪色耐久性を出すことが可能になりました(現在特許を出願中)。
■〈軽量塗工紙「
OKコートLグリーン100
」/微塗工紙「
OKロイヤルライトSグリーン100
」
既存の一般紙並みの白さ、褪色耐久性を持たせています。
(2)チリ
必然的に増加する傾向なので、除塵スクリーンの強化などにより改良しました。
(3)表面強度・紙腰
紙力増強剤、塗料処方により改良を進めました。
さらに、再生紙に対して白さを一段と押さえた用紙への高まるニーズにお応えしたのが「
OKプリンス上質エコG100
」(新聞古紙他/ハンター白色度70%・ISO白色度74%)です。「OKグリーン100シリーズ」ともども、ぜひご愛顧ください。
地球環境への取り組み(1)/森のリサイクル運動について
地球環境への取り組み(2)/紙のリサイクル運動について
古紙100%配合紙「OKグリーン100シリーズ」の詳細