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96.06.14 第1号

「OKプリンス上質」のご紹介
1996年4月の発売以来、上質紙の新しい銘柄としてご好評をいただいているのが「OKプリンス上質」です。これは当社の最新の技術を結集して開発したもので、次のような特長があります。
 (1) 保存性に優れた中性紙である。
 (2) 白色度が高く、かつ高い不透明性を持っている。
 (3) 印刷、加工作業性にも優れている。
これらの特長を生かして、出版本文、マニュアル、ポスターをはじめ各種用途に幅広く使用できます。

なぜ、中性紙にしたのか?
OKプリンス上質」の開発にあたって、なぜ“中性紙”化を進めたのかをご説明いたしましょう。
和紙が1000年以上の長い寿命を持つことはよく知られています。これは、こうぞ、みつまた等の繊維が丈夫であることもさることながら、中性紙であることが長寿の大きな理由となっています。
私たちが日常使用している洋紙の中で、酸性紙の場合はこれほどの寿命を保つことはできません。現在の紙・板紙全体の中性化の割合を調べてみると、米国が30%、西欧で60%であるの対して、日本では20%と残念ながら遅れているのが現状です。もちろん、この中には新聞紙、包装紙、板紙などのように、現在のところ酸性紙でも差し支えのないものも含まれています。書籍関係にのみ絞った場合、国会図書館の1994年の調査(標本381冊)では、全体のほぼ80%が中性紙化されています。特に、民間の出版物は85%が中性紙との結果が出ています。今後も、この傾向がますます進むことは明らかです。
■国会図書館受入れ新刊図書の中性紙使用率
酸性紙の劣化が早い理由は、インキのにじみ止めに添加するロジンサイズ(※1)の定着に使用する酸性バンド(※2)、これが紙の酸性化を促進させて紙を傷めるためです。
中性紙の場合は、紙の酸性化を防止するために中性サイズ剤(※3)、定着剤とともに填料(※4)に炭酸カルシュウム(※5)を使用して中性に保つため、用紙の寿命も伸びます。これにより中性紙は通常、酸性紙の3〜4倍長持ちすると言われています。
また技術的にも、中性紙と酸性紙の耐折強度保持率(※6)の差で証明されています。

■耐折強度保持率
また填料に炭酸カルシュウムを使用しますので、紙の劣化を防止する以外に次のようなメリットがあります。
 (1) 白色度が上がり、白さを増すことができる。
 (2) 不透明度が向上する。
 (3) 紙厚が出る。
 (4) インキ乾燥性が向上する。
さらに環境問題の点でも、中性紙は劣化が少なく再生パルプの強度も強いので、再生化率が上がり、これから先もさらに中性紙化の方向へ進むことが充分に考えられました。
当社では、こうした時代の流れを的確に捉え、他社に先駆けて「OKプリンス上質」の中性紙化に踏み切ったわけです。
 
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軽オフセット印刷の地汚れについて
中性紙は軽オフセット印刷で、まれに地汚れを起こすことがあります。この現象は、中性紙が普及し始めた数年前より発生するようになりました。原因は、ペーパーマスターを使用した軽オフセット印刷で、湿し水のpHが徐々に上がり、非画線部が感脂化されインキ汚れを起こすためです。これはペーパーマスターエッチ液・湿し水にシアン系を使用した場合にのみ発生します。
しかし、現在はPS版兼用の非シアン系のペーパーマスターエッチ液・湿し水が市場でも70%以上普及しており、それを使用していただければ全く問題ありません。
なお、PS版を使用する一般のオフセット印刷ではこうした問題はありません。


(参考文献)
(1)国立国会図書館月報 407号/1995
(2)国立国会図書館資料保存対策室“パンフレット”中性紙使用のお願い
(3)印刷雑誌 1994(6)「中性紙の現状」
(4)(株)日研化学研究所「F-クリーンH」パンフ

(用語解説)
※1:ロジンサイズ
酸性抄紙で水、筆記用インキ等液体のにじみを防止するために使用する。

※2:硫酸バンド(硫酸アルミニュウム)
ロジンサイズの定着剤として使用する。

※3:中性サイズ剤
用途は、酸性抄紙用のロジンサイズと同じ。AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)等の種類がある。定着剤にはカチオン澱粉等が使用される。

※4:填料
紙に配合する鉱物質の粉末をいう。紙の不透明性、平滑性等を増加させるために使用する。

※5:炭酸カルシュウム
天然に産出する高白色石灰石、方解石、大理石白亜、霰石(あられいし)等の主成分である。製紙工業では、填料および塗工用顔料に用いる。

※6:耐折強度保持率(耐折強度)
試験片を一定の張力のもとで折りたたみ、また折り曲げる時、紙が抵抗する強さの極限をいう。
 
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目次

  1. なぜ、中性紙にしたのか?


  2. 軽オフセット印刷の地汚れ
    について


  3. 参考文献


  4. 用語解説


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